抗ガン剤や放射線治療によって激しい副作用が引き起こされるため、がんの治療に対して、つらく苦しいものだというイメージをもっている人は多いでしょう。とても残念なことですが、現代の医学ではガンと闘うためには副作用とも闘わなくてはなりません。髪が抜けたり、吐き気をもよおしたり、著しく免疫力が低下しても、それほど効果はあらわれずに、医師からは手の施しようがないと言われてしまうことも普通です。一時的にガンが小さくなったとしても、それまでの治療によって免疫力が破壊されてしまい、再発してしまった時に身体が闘う力さえも奪われてしまいます。このように、治療によってガンを攻撃することができても、生きる力まで弱まってしまうのです。

そして、こうした理由から西洋医学が疑問視され、別の治療法が望まれています。期待されているのは、標準治療に代わる代替療法(だいたいりょうほう)です。代替療法とは、ガン細胞を直接攻撃するのではなく、身体の免疫力を高め自然治癒力を強化して、ガン細胞をやっつけようという治療法です。病院で一般に行われている従来のガン治療(標準治療)に付きものの苦しい副作用は無く、患者のQOLを高めることができる点では、とても高く評価されています。QOLとは、Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)=生活の質、つまり病気や障害を抱えている人が人間らしく、自分らしく、いかに満足した生活を送ることができるかどうか、を指します。

現代の標準治療は、西洋医学に基づき行われています。そして、西洋医学では病原体を追い払うことができますが、自らの身体の機能の低下が原因となる病気に対しては苦戦を強いられています。特にガン治療では、抗ガン剤や放射線治療などを受けることで患者の免疫力が更に低下し回復が遅くなるので、免疫力を強化して病気に立ち向かう代替療法が注目されるのです。

ガンに対抗するには免疫力を強化する

代替療法のうちのひとつに、免疫療法があります。人間の身体に備わっている免疫力は、体内に侵入してきたガン細胞や病原体などを消滅させる大切な働きをしていて、これは、生きていくために自分自身を守るしくみなのです。ですから、免疫系の働きがとても弱くなると、重症な感染症やガンにかかり死に至ることがあります。免疫療法では、文字どおり体内の免疫力を高め、病気に対抗させるのです。

人間の免疫は、おもに血液の中にある白血球がつかさどっています。白血球には、マクロファージという細胞や、ナチュラルキラー細胞、T細胞(リンパ球)などがあってそれぞれに重要な役割がありますが、これらがガン細胞を攻撃してガンを消滅させるのです。

海藻類に含まれているフコイダンには、白血球中の成分の動きを活発にして、副作用を生まずにガン細胞への抵抗力をつける働きがあり、免疫療法の分野で注目を集めています。