2019年 2月 の投稿一覧

胃腸のためにも自律神経を安定させる

上手なストレス発散を心がける

生活習慣の中で特に大事なストレスについてです。ストレスというのは、人によって感じ方が異なり、どのくらいのストレスが心身の健康にどう影響するかという一定の法則を示すことばできません。また、現代人特有のストレスも重なってとても複雑化してるのも事実です。

ストレス

ストレス

どのくらいのストレスが健康を害するのか?という問題に関して、未だに数値化する術はありませんが、多くの方の食道・胃・大腸の状態はストレスによって内臓機能も大きな影響を受けているのが明確です。

人は、強いストレスを感じると、自律神経に乱れが生じます。胃腸のような臓器は、自律神経によって働きがコントロールされているので、精神的なストレスによって自律神経が乱れると、胃腸の動きもおかしくなります。仕事でストレスを感じると、下痢や便秘が習慣化している人も多いはずです。

たとえば、強い胃痛があり、胃潰瘍かなにかを発症しているのではと不安にかられて受診される方がいます。そういう方の胃を内視鏡で診てみると、胃そのものには異常はなく、胃が強く収縮してけいれんを起こした痕跡が内視鏡で確認され、胃痛の原因は胃粘膜の異常ではなく、胃のけいれんからきていると内視鏡検査によってわかるということがとても多く見受けられます。

一方、胃もたれや胃の不快感、ゲップが多いと訴える人では、胃の動きがはとんど止まってしまっているために、胃の不快症状が起きていることもよくあります。どちらも自律神経の乱れ、つまりストレスやメンタル的なことによる胃の動きの異常に伴う症状のことが非常に多いということが、内視鏡検査を行うと一目瞭然です。

こういう場合は、内視鏡検査を行い、その画像を直接、患者さんに見せて「胃の粘膜に大きな異常はありません。ストレスなどによる胃の動きの問題ですよ」と説明すると、それだけで安心し、悩んでいた症状がすっかり消えてしまうケースも多々あります。

反対に、ストレスが原因と知らずに病気を心配して思い悩んだり、実際の胃の状態に合わない薬を飲み続けたりしていると、いずれ胃の粘膜にも異常が生じ、がんの引き金にならないとも限りません。

自律神経を乱すようなストレスの原因には、さまざまなものがあります。仕事の問題や人間関係のトラブル、家族の介護や育児、病気、経済的不安など、ストレスの種は多岐にわたり、これらすべてをなくすことは不可能です。

フコイダンで胃の健康を保つ

しかし、自分の受け止め方や行動を変えることで、自律神経を整えて、ストレスに対応していくことはできます。自分自身の考え方次第で、ざまざまな症状が改善することも多く目にしますし、医師と話をするだけで病状が改善する方も多く、メンタル的な症状は「心のあり方次第」ともいえるでしょう。

ストレスを解消し、自律神経を整えるには、好きな趣味やスポーツに打ち込むなど、なにかに没頭できる時間をもつのがおすすめです。他にも自然に触れたり、ペットと遊ぶのもいいですし、人によっては地域活動や異業種交流会などを通じて職場や家庭以外の人との交流をもつことが、よいリフレッシュになることもあります。

また胃痛の例のように健康面で不安を感じた時は、ひとりで悩まずに医療機関で相談してください。医師に相談して自分の体の状態や対処法がわかれば、不安が解消し、前向きな気持ちを取り戻せます。

ピロリ感染者は胃がんリスクに注意

ウィルス感染に注意する

がんの中には、ウィルスや細菌への感染が原因のものがいくつもあります。がんを起こす細菌・ウィルスを知って感染予防をする他、感染がわかった時は早めに適切な治療を受けることが大切です。

まず、胃がんを引き起こす細菌として有名なのが、ピロリ菌です。ピロリ菌は約3.0×0.5 μm の大きさのらせん状をした細菌で、4~8本のしっぼのような繊毛があります。このしっぽをヘリコブターのように回転させて移動することから、ヘリコバククー・ピロリと名づけられています。

日本では年齢が上がるにつれてピロリ菌感染者の割合が増え、40歳以上では約70% の人が感染しているといわれます。平均すると、全国民の約半数が感染している計算になります。
ピロリ菌が胃に感染すると慢性的な胃の症状が続くようになり、次第に胃粘膜が萎縮してきます。胃粘膜が萎縮すると、胃酸の分泌が減少して、消化不良や胃の不快感などの症状が現れます。

また、度ぴろすると、時間の経過とともに胃粘膜の萎縮が進み、粘膜の炎症も持続して、胃がんの発生リスクが高くなります。ピロリ感染者の胃がんリスクは、未感染者の約10倍以上にも上ります。ピロリ菌は、人から人への経口感染(口から口)や、井戸水などが感染源になります。家族内で、食べ物を口移しすることで親や祖父母から子どもへ感染することが多く、ほとんどが5歳頃までの幼少時に感染すると考えられています。

感染を予防するには、口移しなどをしないことや井戸水などを飲まないことなどが挙げられ、胃内視鏡検査をしてピロリ菌の有無を確認しておくことが大変重要です。

胃カメラがどうしても嫌な場合は、自分でできる検査キットあります。

自分で出来る!胃カメラをやらずに胃がん検査、ガン胃がん検査セット(ピロリ菌検査含む)
https://malignant-tumor.com/archives/302

また、B型肝炎ウィルスやC型肝炎ウィルスも、がんを引き起こす代表的なウィルスです。これらに感染すると、特にC型肝炎で慢性の肝炎が起こり、その一部が肝硬変、肝臓がんに進行することがあります。これらのウィルスは感染しても初期の段階ではまず自覚症状がないので、やはり検査を受けて感染の有無を知ることが、有効な対策になります。

若い女性に多い子宮頸がんは、ヒトパピローマウィルスへの感染が原因で発症することが多いとされています。これは性交渉によって感染するウィルスなので、不特定多数との性交渉を避けて正しく避妊具を使う、定期的に検査を受ける、といったことが予防につながります。

若い世代ではワクチン接種も意義があるといわれていますが、副作用の問題などで接種するか否かの議論が各方面で起こっており、ワクチン接種の是非は国としての結論が出ていない状況です。

適度な日光浴

ビタミンDを活性化させる

ここ最近、がんの予防効果や感染症などの病気予防に注目が集まっているものに「ビタミンD」があります。きっかけとなったのは、1980年代に発表された「紫外線をよく浴びる地域では、大腸がんの死亡率が少ない」という研究報告です。

ビタミンD とは、青魚やキノコ類などに多く含まれるビタミンです。名前はビタミンですが、実際はホルモンのような働きをもつ物質で、紫外線を浴びることで人の体内でも合成されます。そのため、紫外線を多く浴びる地域ではビタミンD の合成が盛んで、それががん死亡率低下に関係しているのではないかと推論されたわけです。

その後、ビタミンDに関するさまざまな研究が重ねられ、アメリカの国立がん研究所(NCI)の1万7000人を対象にした調査では、ビタミンDの血中濃度が高い人は、低い人に比べて大腸がんの死亡率が75%低下すると報告しています。

他の研究でも乳がん、卵巣がん、前立腺がん、食道がんなど、多くのがんで、ビタミンDにより死亡率が下がるというデータがあります。近年、日本では、女性を中心にビタミンDが不足している人が増えている、という指摘があります。

これは紫外線がシミ・シワといった皮膚の老化を引き起こすことが知られるようになり、日光を避ける風潮が強まっていることも一因です。しかし、がん予防という点からすれば、必要なビタミンDを生成するために、過度な日焼けは別にして、適度に日光に当たることは有用といえます。

日光に当たるといっても日焼けをするほど長時間、紫外線に当たる必要はまったくありません。国立環境研究所では、ビタミンDの必要量を体内生成できる日光浴の時間を、地域や季節ごとに算出しています。たとえば関東地方( つくば市) では、賂外線の強い夏場は朝や夕方に5分ほど、紫外線が弱まる冬場は日の高い時間に20分程度日光に当たれば、必要なビタミンDをつくることができます。

日光に当たる場所も、手や脚、腕など一部の皮膚で大丈夫です。またビタミンDは一度生成されると、一定期間は体内に蓄積されますので、毎日ではなく、天気のいい日にウォーキングや散歩などをして少し長めに日光に当たるように心がけるのもよさそうです。

仕事などで日光に当たる時間がとれない人や、ビタミンD の合成が少なくなる高齢者では、ビタミンDのサプリメントを利用する方法もあります。
ビタミンDにはがん予防の他にも風邪や胃腸炎などの感染症を予防する効果もあり、免疫力を上げる漢方薬として有名な補中益気湯などと併用するとより一層、感染症予防ができますので、風邪をひいたり、胃腸炎になって休むという無駄な時間を回避することができ非常に有用だと思います。